Low-Eガラスとは?
ペアガラスのガラス表面に特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティングし断熱効果を高めたガラスのことです。
熱の移動には「伝導」「対流」「放射」の3種類があります。
Low-Eガラスはこのうちの「放射」を抑えることで、高い断熱性を発揮します。
※電気ストーブの近くでは、ジワーっと熱を感じますよね。このような熱を「放射熱」といいます。
Low-EとはLow Emissivity(ロー・エミシビティ)の略で低放射という意味になります。
通常のペアガラスとの差
熱の伝わりやすさの目安には熱貫流率という数値があります。
通常のペアガラスは 2.9W・K/m2
Low-Eガラスは 1.8W・K/m2
この数値が小さいほど熱が伝わりにくくなります。
ということは、この金属膜があるかないかの違いで、約1.5倍もの差があるということなんです。
もっとわかりやすい例としては、結露する温度です。
室内の温度20℃、湿度60%だった場合
通常のペアガラス(FL3+A12+FL3)では-3℃で結露が始まります。
対して、Low-Eガラス(FL3+A12+Low-E3)は-17℃まで結露がおこらない。
とても、大きな差だと思いませんか?
※セントラル硝子株式会社 ペアレックス、ペアレックスヒートガード資料より
Low-Eガラスの種類について
Low-Eガラスには遮熱タイプと断熱タイプの2種類があります。
2つの違いはLow-Eコーティング(画像オレンジの所)がしてあるのが、室外のガラスなのか、室内のガラスなのかの違いです。
パッとみた感じですと、遮熱タイプの方が外の熱を反射するし、室内の熱を閉じ込めているから性能がよさそうにみえませんか?
しかし、そこに大きな落とし穴があるんです。次の項で詳しく説明していきます。
遮熱タイプと断熱タイプの使い分け
冬の場合を想定してみましょう。
昼間の太陽の熱は少しでも家の中に入れたいですよね?しかし、遮熱タイプのガラスを使用すると、せっかくの日射エネルギーを反射してしまい、室内が暖まりづらいという状況になってしまいます。一方、断熱タイプの場合は、日射熱を適度に透過させながら、室内の熱を逃がさないように反射します。一旦、取り入れた熱を逃がさないような仕組みになっているわけです。
かといって、すべてを断熱タイプにすればいいのかというと、そういうわけではありません。
西日はなるべく入れたくはありませんよね?
このような場合は、日射熱を反射する遮熱タイプの方が効果があります。
また、夏場は暑いが、冬場はそこまで冷えない地域では遮熱タイプを使ったほうが効果を感じられるかと思います。
私たちが暮らしている岐阜を例にとってみましょう!
夏場はよくニュースで取り上げられますが、本当に暑い!かといって冬場は雪が降ることもあり寒い地域なんです。
ガラスは断熱タイプを使用することが一般的なのですが、夏場の日射熱はどうやって防いでいるのか?
日射熱は軒やひさしなど、外部で防ぐようにします。夏場の太陽は高度が高いので少しの出があれば日射熱を防ぐことができるんです。しかし、だんだんと高度が下がってきた西日は防ぐことができません。これを防ぎたい!という場合には西面だけ遮熱タイプを使用することで対策をします。
最後に
住んでいる場所の気候、状況などを総合的に考えてどちらの種類がいいのか?をよく考えることが大切かと思います。
専門家の方とよく相談をして、家にあったものを選択しましょう!
それでは!最後までお読みいただき、ありがとうございました。